樹齢1200年の大楠に守られた島

志々島 shishijima

瀬戸内海の隠れパワースポットへ

志々島の北西側に、樹齢1200 年の楠がある。島では、昔から大楠と呼ばれている。太い枝がにょきにょきと四方に伸びて、龍のよう。太陽の光がさすと、空に広がる緑の葉は、光焔と輝く。

固い樹の鱗をまとった幹に、両手を広げて、抱きついてみた。後ろに手なんて回せなくて、ただ、体を大の字にしてもたれかかったようになるだけ。

さわさわと、葉っぱが揺れて、騒ぎだす。優しい音。枝の上に宿り木がぽんぽん。まるで、妖精のよう。

安心感と癒しを感じ、じわ〜りと、あたたかいエネルギーが体に注入されて、満タンになっていく……。

「大楠さん」と島の人たちは言う。はるか昔から、島の守り神とされてきた。

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神秘的な大楠に会いにいく

ジャングルで忽然と現れた遺跡を発見した冒険家は、狂喜乱舞したことでしょう。

その日、志々島に来て、初めて大楠を見たイギリス人の夫婦が、「アメージング!」と言葉をもらしながら、龍のように四方へ這う枝を目で追っていました。

平安時代から、島の守り神だとされてきた大楠。
上を見上げると、空を覆いつくしそうな、緑が広がります。

大楠の下の鳥居の前で、参拝をします。
「こんな素晴らしい木を、これまで見たことがないわ」
「ここには、フェアリーがいるね」
世界中を旅してきたというイギリス人の夫婦が、そんな会話をしました。

根が広がっていると思われるあたりは、ロープが張られて立ち入りできません。
ただ、大楠のまわりには、ぐるっと道ができているので、じっくりと眺めることができます。

枝の上側には、可愛らしい宿り木がぽんぽんと生えていて、それが、妖精のようにも見えてきます。
もしかしら、人のいない時間、妖精が、大楠の幹を登ったり、枝の上を走ったりしているのかも。

大楠は、中央の幹の太さが周囲12メートルで、高さは22.5メートル。
枝が東に25メートル、西に20メートル、南に17.5メートル、北に20メートルと伸びています。

明治時代に土砂崩れがあり、幹の下がほとんど土の中に埋もれてしまったため、土の上からいきなり枝が四方に伸びています。
普通ならば、幹が枯れてしまう状態ですが、並々ならぬ生命力を放っているようです。
島でも、平安時代から島のシンボルとして、切られることなく大切にされてきました。
この独特の見た目もまた、神秘的です。

「昔ね、島のおばあちゃんたちが、大楠さんのまわりでピクニックをしてたんやって」
移住者のさっこちゃんが、嬉しそうに話してくれました。

 

 

亀の看板に従って行けば、大楠に到着します。夏はものすごい蚊が発生します。くれぐれも虫除け対策をしてください。
また、大楠は許可なくロープ内に入ることが禁じられています。(写真を撮ったときは許可をいただきました)
ロープの外からでも充分、大楠さんのパワーをいっぱいいただけます!

 

ひっそりと島を守る、パトロール隊

志々島は、人にあまり慣れてはいませんが、たくさんの猫が暮らしています。
ワイルドな島らしく、猫もワイルドな雰囲気。
気付けば、木の陰に、塀の上に、空家のなかにいて、ひっそりと来島者を観察しているようです。

<行き方>
「JR詫間駅〜宮の下港まで」
バス(100円/一人)
詫間支所停留所下車(所要約20分)
宮の下港まで徒歩(所要約3分)

「宮の下港〜志々島まで」
粟島汽船(片道340円)

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時刻表:

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