小学館の人気ペットWEBサイトのPETomorrowにて、御蔵島の森ネコの里親になった奮闘記「森ネコ、ギャングを迎えて」を連載しています。
今一緒に暮らしているのは、5〜6歳のハチワレ猫(フィリックス君)で、人間には「ファー!」と威嚇。スーパーギャングです。そして、仔猫のときに自ら集落に下りてきて保護された、茶トラ猫(こふで君)、1歳。
きっかけについてお話いたします。
御蔵島では、現在森のなかに500〜2000匹の野生化したイエネコが暮らしていると、環境省の調査団体によりわかりました。人と暮らしていたネコが、森に捨てられたか、逃げたかして、増え続けているのです。
また、かつては御蔵島に推定175~350万羽生息していた海鳥「オオミズナギドリ」が激減していることも、調査の結果明らかになりました。激減の原因はネコによる捕食である可能性が高く、このままでは島の生態系全体に悪影響を与えかねません。(もちろん、激減の原因がネコの捕食によるものだけではない可能性もあります。)
とくに御蔵島はドルフィンスイムができる島として人気があります。豊かな海だからこそ、昔から野生のイルカが暮らしてきました。そしてこの海の豊かさは、森の豊かさと密接な関係があると考えられています。御蔵島では、1993年からドルフィンスイムがスタートして、観光客を受け入れています。
約20年前から御蔵島へ通い続け、御蔵島のネコ問題について危機意識をもった方々が2016年に「御蔵島のオオミズナギドリを守りたい有志の会」を立ち上げました。
ちなみに野生化して希少な動物を捕食しているネコたちは法律上「ノネコ」と呼ばれていますが、実はその呼び名は害獣として駆除の対象になるという意味でもあるのです。この方たちは、「ノネコ」という悲しい名前に代わる呼び名として「森ネコ」という言葉を作りました。私もそれに倣って「森ネコ」という言葉を使っています。
この方たちは、森ネコを捕獲して、内地へ送り、人に馴れさせた後に里親を探す活動をしています。とても地道な活動です。捕獲するのもやっとで、さらにはこれまで人間と接触したことのない野生の森ネコを人に馴れさせるのは、根気がいります。なにより、仮に2000匹を連れ出したとしても、里親を探すのはとても大変なことです。
「それでも、やらなくては」と発起人の長谷川潤さん、草地ゆきさんが言います。
Officeひるねこは、「御蔵島のオオミズナギドリを守りたい有志の会」の活動を応援しています。その一歩として、小学館のPETomorrow編集部に「少しでも御蔵島の森ネコを知ってもらいたい」とお話をしたところ、この連載がスタートしました。
はっきりと明記しますが、連載するつもりで、森ネコを引き取ったわけではありません。ただ、森ネコさんを引き取ったことで、問題意識が「自分のこと」のように思えるようになり、活動を応援したいと強く思うようになりました。
これからも、御蔵島の森ネコを知ってもらうためのイベント開催や、有志の会のサポートなど支援していくつもりです。
森ネコと暮らしていて、思います。とても、孤高で、ネコらしいと。美味しい森の空気が恋しいのかな?なんて、申し訳なくなることも多々ありますが、「鳥もネコも守りたい」という思いは強くあります。
彼らが、少しでも安穏とした生活が送れるように、全力で守っていきたいと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
連載は、こちらです。「森ネコ、ギャングを迎えて」
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