一昨年より、希さんが公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団(略称:エコモ財団)の事業に参画してきました。
エコモ財団は、日本財団からの助成を受けて、海上交通におけるバリアフリー化の推進と、旅客船を利用する高齢者や障がい者などの移動の円滑化を目的として、旅客船や旅客船ターミナルのバリアフリー化に関する施設、設備の整備に対して助成事業を行なっている財団です。(船だけでなく鉄道や飛行機にも)
今回は、光や音、におい、食事、トイレの不安など、主に見えにくい障がいという困りごとを抱える人でも、安心して船旅・島旅ができることを伝えるツール、「だれもが楽しめる船旅・島旅 一人ひとりにあったユニバーサルデザイン旅」の動画と手引書を制作しました。
困りごととは、例えば
・予定の見通しがたたないと不安
・急なハプニングに対応できない
・人の視線が気になる
・光や音など感覚が敏感
・旅先のトレイが気になる(事前に写真で見たい)
など、さまざまあります。
制作では、ユニバーサルデザインコンサルタントの橋口亜希子さんに監修をお願いしました。
橋口さんは、見えにくい困りごとの多くは社会側がバリアを作りだしているという社会モデルの考えに基づき、困りごとを抱える人に必要な「環境調整」を伝える活動をされています。
「環境調整」とは、困りごとを理解し、必要な工夫や配慮をすることで、だれもが安心して行動できる状況を作りだすことです。
また、実際に困りごとを抱える女の子とお母さんに東海汽船の大型客船「さるびあ丸」に乗ってもらい、伊豆大島を一緒に旅しながら制作しました。
普段とちがう環境に不安を抱える人にとって、旅はハードルが高いとよく耳にします。でも、「行きたいけど、事前に情報がないと不安」といった声が多く、そのほとんどが、社会側の配慮によって事前にカバーできることなのです。
その一つが「旅のしおり」です。
動画と手引書では、だれもが楽しめる船旅・島旅の実現に向けた環境調整の一つとして、「旅のしおり」のポイントを紹介しています。
中身を読むと、見えない困りごとの多くは、旅先だけでなく、誰もが日常で困ったり不安になったことがあるのではと気づかされます。
だれでも船旅・島旅を楽しめる社会実現をめざし、多くの方々にこの取り組みを知っていただけたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
/Officeひるねこスタッフ
▶︎動画は「こちら」から
撮影では、伊豆大島の千葉さん、三宅島のいと〜まんさん、新島の青沼さんにお願いして、島のエキスパートたちに助けられました。
▶︎手引書.PDFは「こちら」から