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産経新聞連載 第98回「島を歩く、日本を見る」(対馬・韓国)

産経新聞で隔週金曜日・生活面で連載中の「島を歩く、日本を見る」本日発売しました!
連載第98回目「韓国に残る宗氏奮闘の歴史」(対馬から韓国)

ぜひWeb産経ニュースサイトでご一読ください。

先月、産経新聞社企画「朝鮮通信使」の足跡を辿るというツアーで、国境の島である対馬島と韓国の釜山を訪れました。対馬の北部の比田勝から約49.5㌖先の釜山まで、サンスターラインの高速船に乗って移動。

古来、対馬は朝鮮と貿易を行い、よしみを通じる間柄にありました。しかし、豊臣秀吉の朝鮮出兵により、朝鮮は日本と国交を断絶。
その後、徳川家康が国交回復を命じたのは、対馬藩主の宗義智でした。義智は粉骨砕身の努力と粘り強い外交を続け、国交を回復。
以降、約200年間で12回、朝鮮通信使が来日し、この間は争いもなく平和な時代の象徴とされています。朝鮮通信使に関する資料等の記録は、2017年にユネスコの「世界記録遺産」に登録されました。

韓国では、朝鮮出兵のことを「壬辰倭乱」と呼び、日本軍が朝鮮半島の南海岸各地に築いた日本式の城を「倭城」と呼びます。釜山近郊には、加藤清正や小西行長、毛利輝元らが根拠地とした倭城跡が残ります。
ツアーで倭城を訪れ、中でも加藤清正の西生浦倭城は、海抜高度133㍍の山頂に築かれた山城で、石積みの城壁が見事に保存されていました。
釜山タワーの立つ龍頭山公園を中心に広がる約10万坪の土地は、草梁倭館でした。
江戸時代には対馬藩およそ500人が居住していました。

朝鮮通信使が来日していた時代、対馬藩が迎えた儒学者の雨森芳洲は、「互いに欺かず。争わず、真実を以て交わる」ことを朝鮮外交の方針としました。
歴史には、計り知れない背景や先人の思いがあり、今の我々に繋がっていることを改めて学ぶ旅となりました。

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⬛︎バックナンバー
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第1回 「瀬戸内海の手島(香川・丸亀市) おじいさんたちと、向日葵」

第2回 「最西端で「国境」感じる与那国島(沖縄・与那国町)」 

第3回 「野生のイルカに魅せられて 御蔵島(東京・御蔵島村)」

第4回 「神々しきワンダーランドへ 奄美大島(鹿児島県奄美市など)

第5回「国の近代化 石で支えた 北木島(岡山県笠岡市)」

第6回「竹島(鹿児島県三島村) 歴史の真実、竹の向こうに」

第7回「田代島 ネコとともに震災乗り越え

第8回「誇りを胸に「城砦」を仰ぐ 隠岐諸島

第9回「地図から消されてた毒ガスのとりで(広島県竹原市 大久野島)」

第10回「あの夏の記憶「特攻花」に重ね 喜界島(鹿児島県喜界町)

第11回「金とトキと、美しき大地 佐渡島(新潟県佐渡市)

第12回「伝統と融合、アートで活性 佐久島(愛知県西尾市)

第13回「異国との交流「世界の記憶」に 相島(福岡県新宮町)

第14回「若者がつなぐ、故郷の未来 松島(佐賀県唐津市)

第15回「風と潮に乗った「技術集団」 本島(香川県丸亀市)

第16回「鼓動感じる屈指の湯治場 式根島(東京都新島村)

第17回「万骨眠る密林に思う 西表島(沖縄県竹富町)

第18回「大陸とのクロスロードに立つ 対馬島(長崎県対馬市)」

第19回「太古のロマン、満ちる王都へ 壱岐島(長崎県壱岐市)

第20回「時を超え、命をつなぐ神秘の森 屋久島(鹿児島県屋久島町)」

第21回「思いを力に 無人から有人へ 新島(鹿児島県鹿児島市)

第22回「食文化の神髄 支え続け(香川県小豆島)

第23回「波の向こうでわれらを待つ(島根県隠岐の島町)(上)

第24回「日本固有の地 今も昔も(島根県隠岐の島町)(下)

第25回「船が運んだ入植者たちの夢 利尻島(北海道利尻町、利尻富士町)

第26回「心に彩り ツバキの楽園(東京都大島町)」

第27回「共栄の道歩むリゾートアイランド 初島(静岡県熱海市)

第28回「石の景色広がる モヤイ像の聖地 新島(東京都新島村)

第29回「ルーツ」の地 過去から宇宙へ 種子島(鹿児島県西之表市、中種子町、南種子町)

第30回「東洋のナポリ」に栄華の面影 保戸島(大分県津久見市)

第31回「自立」選び離島の雄に 小値賀島(長崎県小値賀町)

第32回 神が宿る海上のピラミッド 利島(東京都利島村)

第33回 瀬戸内から世界の海へ 粟島(香川県三豊市)

第34回 圧倒の自然美 歴史ロマンも 前島(岡山県瀬戸内市)

第35回 アートににじむ光と影 犬島(岡山県岡山市)

第36回 酪農王国の夢 ふたたび 八丈島(東京都八丈町)

第37回 御心  800年の時を超え 隠岐諸島・中ノ島(島根県)

第38回「遊べる」海上の要塞 猿島(神奈川県横須賀市)

第39回 古代ロマンと被災の陰で 奥尻島(北海道奥尻町)

第40回 いにしえの交流地 変革のとき 生口島(広島県尾道市)

第41回 地球の鼓動 間近に感じて 三宅島(東京都三宅村)

第42回 時代の一翼担うエコアイランド 沖永良部島(鹿児島県知名町、和泊町)

第43回 船がつなぎ、醸成した島百景(隠岐諸島 島根県隠岐の島町など)

第44回 栄華の象徴 新たな観光資源に(広島 香川県丸亀市)

第45回 地域に根付く文化 未来につなぐ(香川県三豊市)

第46回 世界に誇れる美しい海 阿嘉島(沖縄県座間味村)

第47回 信仰の地に眠る魂に思いをはせる 天草諸島(上)(熊本県天草市など)

第48回 潜伏キリシタンを支えた共生の伝統 天草諸島(下)(熊本県天草市など)

第49回 自然に宿る神の息吹を感じて 神津島(東京都神津島村)

第50回 「島なりに治めよ」国境で生きる術 対馬島(長崎県対馬市)

第51回 50年前に消えた国境の海を望む 与論島(鹿児島県与論町)

第52回 固有種と戦跡の森に命と平和を学ぶ 父島(東京都小笠原村)

第53回 湖の離島、宝を次世代へつなぐ 沖島(滋賀県近江八幡市)

第54回 神々宿る島で紡がれる歴史の物語 厳島(広島県廿日市市)

第55回 ミカンの香り漂う里山に隆盛の面影 中島(愛媛県松山市)

第56回 「神の島」の社、地域発展の礎に 大三島(愛媛県今治市)

第57回 いにしえの扉開く神秘とロマンの旅(長崎県壱岐島)

第58回 先人の思い詰まった島の宝 与路島(鹿児島県瀬戸内町)

第59回 集団自決の歴史を胸に、今を生きる 座間味島(沖縄県座間味村)

第60回 キリシタンの隠れ里 脱炭素を牽引 福江島(長崎県五島市)

第61回 要塞跡残る国防の島 修行の出発地 友ヶ島(和歌山県和歌山市)

第62回 始まりの島で海の民に思いをはせる 淡路島(上)(兵庫県淡路市、洲本市、南あわじ市)

第63回 太古の音に耳を澄まし原点を感じる 淡路島(下)(兵庫県淡路市、洲本市、南あわじ市)

第64回 島尾文学の原点 戦争体験の舞台 加計呂麻島(鹿児島県瀬戸内町)

第65回 八重山上布に、400年の歴史を思う 石垣島(沖縄県石垣市)

第66回 武士の世の名残留める海の要衝 甑島列島(上)(鹿児島県薩摩川内市)

第67回 恐竜の島に受け継がれた子供への愛情 甑島列島(下)(鹿児島県薩摩川内市)

第68回 エコカーで満喫する「伝説の島」 姫島(大分県姫島村)

第69回 瀬戸内つなぐ要塞の歴史をたどる 与島(香川県坂出市)

第70回 800年を超える一島一戸の歴史 仁右衛門島(千葉県鴨川市)

第71回 「東京湾要塞」防衛から観光利用へ 第二海堡(千葉県富津市)

第72回 カカオ栽培定着 開拓魂にふれる 母島(東京都小笠原村)

第73回 ごみの歴史 忘れずに生きる 豊島(上)(香川県土庄町)

第74回 地域資源生かし第二のふるさとに 豊島(下)(香川県土庄町)

第75回 時代を切り開く熱い思いは受け継がれ 屋代島(山口県周防大島町)

第76回 島旅特別編「冒険心がかき立てられる島旅の始め方」

第77回 日本従来の野生牛に共生を学ぶ 口之島(鹿児島県十島村)

第78回 「島国の原風景 港湾で地域創生」中通島(長崎県新上五島町) 

第79回 「潜伏キリシタン思う石畳の小道」(頭ケ島)

第80回 「絶海の孤島に散った命に花ささげ」(硫黄島)

第81回「最後の秘境で奥深さに胸打たれ」(南硫黄島・北硫黄島)

第82回目「花の浮島」に眠る最北の歴史(礼文島)

第83回目 経済成長支えた「九州最後の炭鉱」(池島)

第84回目 「国生みの島 歴史を解き明かす旅」(淡路島)

第85回目 「海上産業都市、近代化の原点に学ぶ」(端島=軍艦島)

第86回目 「隔離政策の歴史 後世に語り継ぐ」(大島/香川県)

第87回目「学びながら地域と関わる島塾」(広島/香川県)

第88回目「自然回帰で理想のエコツーリズム」(南島/小笠原)

第89回目「若者の環流目指す 大人の島留学」(島前3島/隠岐諸島)

第90回目「神話の島の魅力 トレッキングで」(大入島)

第91回目「荒海の孤島に伝わる帰還の苦闘史」(青ヶ島・上)

第92回目「先人の魂受け継ぎ、島を未来に繋ぐ」(青ヶ島・下)

第93回目「信仰超えて共有した地域の食文化」(黒島/佐世保市)

第94回目「貴重な自然残る無人島 瀬戸内の〝天橋立〟絶景楽しむ」(成ケ島)

第95回目「海を渡り遠くハワイまで 出稼ぎの漁師たちが支え続けた郷里」(沖家室島)

第96回目「震災からわずか3年で復興、不屈の精神で防災を学ぶ島へ」(玄界島)

第97回目「地域超密着の観光振興で活性化」(獅子島)

第98回目「韓国に残る宗氏奮闘の歴史」(対馬から韓国)

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